24時間働けますか@ベンチャー企業

ワーカーホリックは首にするべきか

まず、僕はDHHのファンである。Rubyはたいして好きではないが、Ruby on Railsは大好きでその考え方やソースには大きな影響をもらっている。よって、僕も「ワーカーホリックこそ首にしろ」と少なくとも半年前までは思っていた。
でも今はスタートアップのこの記事の中でいうところの正真正銘のベンチャーにコミットしているわけだ。実際僕の稼働時間は週に65〜75時間(13,4/1day)だ。だが、正直まだワーカーホリックだと自分の事を思った事はない。友達とかと飲んでて「働き過ぎw」と言われて少し気づくことはあるが、それでもちょっと仕事が遅い分時間で補っているぐらいの間隔で、本当はもっと業務以外の開発もしたい。
もちろんDHHが言うとこのワーカーホリックがどういうものかはわからないが、もしかしたら首の対象なのかもなー。
ただ、この記事に書かれている、「帰れない」んじゃなくて「帰りたくない」で、「自分たちの仕事で世界を変えてやる」まで思わなくても、「顧客がびっくりするような便利なものを作ってやる」ぐらいは考えている。まあ、社長は「世界を変えてやる」な人だけど。

ベンチャーにとっては、仕事が中心で、休暇はその手段。

この考え方は衝撃とまではいかなくても驚きだ。休暇のパフォーマンスなんて考えた事はなかった。だが、例えばこの記事での例からF1をとるなら、F1ドライバーはレースとレースの期間(1週間空きなら4日〜2週間空きなら11日ぐらいか)を、多少のバカンスにも使うだろうが、少なくともチームスタッフは無休でメンテナンス・チューニング・開発・テストに費やすだろう。マシン開発に熱心なドライバーでなくとも、すぐにチームスタッフに合流して次戦に備えている。それが休暇のパフォーマンスというならば、開発者の休暇のパフォーマンスの最大化とは?次戦とはいつなのか。
もちろん、心と身体をゆっくり休めるという事は最も重要だろう。体調管理とはよくいうが、休暇にリラックスしたり、身体を動かしたりすることは、次の週からの戦いに備えたパフォーマンスの良い休暇となるだろう。

開発者にとっての修練の時

確かDave Thomasがどこかで「開発者にも練習が必要」と言っていた。これは僕も常々思っている事で、熟練度の高くない開発者がいきなり製品を作るなんてことは顧客に粗悪品を提供しますよと言っているものだ。しかも、こういう現場ほどテストをおろそかにする。
Dave ThomasはCodeKata(型)みたいなものを提供していたと思うけど、僕らも本当は練習をしなければならない。それは実際にコードを書くことかもしれないし、書籍を読むことかもしれない、勉強会に参加して知識や意見を聞くことかもしれない。おそらくそれも一つの開発者としての休暇のパフォーマンスの最大化だろう。
僕はどっちもまだまだ。ただ、このままベンチャーで開発を続けていくためには両方とも必要なのは言うまでもない。

家賃と人件費の「稼働率」を最大化する

なるほどGoogleのランチは長時間稼働を結果として促しているのか。でも、確かにその通りでランチを外に食べに行くのは机で食べるよりいいが、時間・金銭両面で効率が悪い。ランチはまだいいが、僕らにとっては晩御飯の方がやっかいで、正式に時間も区切られていないし、帰って食べる人もいる中で堂々と食べるのも微妙だ。
最後に引用。

長時間労働は、ベンチャー企業の従業員による、もっとも素朴な形での起業家精神、経営マインドの発露といえるでしょう。「労働者」ではなく「起業家」の視点で、「同じ費用なら最大の成果を」と考え、行動するのは「投資」に近い。だからこそ、ベンチャーの従業員に対しては「ストック・オプション」という報酬形態がある。

少なくとも僕は「同じ費用なら最大の成果を」なんて視点はもっていない。今のところは開発者としてのモチベーションだけでやってる感じ。その意味でいつか急激に萎える可能性もある、かなりある。
そして、僕はベンチャーにコミットしているという意識が今いち欠けているのは、おそらく「ストック・オプション」が無いからだろう。だから、僕は顧客には喜んで欲しいと思う反面、会社の成長に対してはビジョンは持っていない。結果そうなればいいなとは思うが、そうなったからといって、自分の生活がどうこうなるからではないからだろうな。
それでも僕が会社にいるのは、優秀な技術者に囲まれた今の環境が気に入っているからに他ならない。